私は乙女ゲーの話をするときに、「遙かなる時空の中で3」は名作だということをたびたび言うんですよね。
ただ同時に、それは私にとっての初めての乙女ゲーが「遙か3」だから、思い出補正からくるものなんじゃないかともどこかで思っていました。
でも約16年ぶりに「遙かなる時空の中で3」をプレイして、それは決して思い出補正だけじゃないと実感。
本当に面白い作品なんですね。
PS2版の「遙かなる時空の中で3」を中学生のころにプレイし、リメイク版の「遙かなる時空の中で3 Ultimate」をアラサーの今プレイ。
かなり忘れていたことも多かったので、懐かしさに浸りつつも新鮮な気持ちでしましたね。
もう一回言う。本当に面白いです。シナリオとシステムが秀逸すぎる。
もしかしたら私にとって「遙かなる時空の中で3」が初めての乙女ゲーだったのは不幸なことだったかもしれない。
比較基準が「遙か3」になって、ほかのどんな乙女ゲーも劣って見えてしまうから。
実際「遙か3」を皮切りに乙女ゲーというジャンルに手を出し始めたわけですが、「遙か3」を超えたと思えた作品はありませんでしたからね。
といってもライトゲーマーなので母数が少ないですが・・・。
なんとか同じネオロマ作品のうちのいくつかは、「遙か3」に匹敵するかどうかの感動を覚えました。直近の「遙か7」とか、「コルダ」の無印やアナスカシリーズとか。
あと学生のころは友達との貸し借りもあって他メーカーの乙女ゲーに触れる機会もありましたが、大人になってからは乙女ゲーをするとなるとネオロマしか手を出してないんですよね。
(あとはときメモGSを気にしているくらい・・・笑)
これも「遙か3」のせい。
それだけ「遙か3」が思い出深く、当時感銘を受けたってことです。
そして今もその感動を覚えていて、ネオロマ以外にはあまりそそられない体になってしまったんですねぇ・・・!
(あっ、ときメモGSだけは続報待ってる)
おおなんと罪深い「遙かなる時空の中で3」・・・!!
前置きがどえらい長くなってしまいましたが、「遙か3」のリメイク版+ファンディスクである十六夜記も収録されている「遙かなる時空の中で3 Ultimate」をレビューします。
目次
「遙かなる時空の中で3 Ultimate」感想
さきに言っておくと、内容は抜群に良いんですよ。
大好きな作品だし、本当に名作だと思う。
ただ、それだけに残念だなと思った部分もいくつか目立ちました。なので不満点も挙げています。
運命上書きシステムがやっぱり良すぎる
極論、「遙か3」は運命上書きシステムが良いの一言に尽きるんじゃないでしょうか。
一度経験した悲劇を回避するために時空を遡り、どの時空にその運命を変えるヒントがあるのかを探る。
しかも絆の関がある該当の章だけやればいいというものではなくて、時空を何度も行ったり来たりしてちょっとずつ得られる情報で突破していく。
これが難しいんですけど、達成したときの喜びが大きくて良いんですよね。
こんなに難しかったっけ・・・そういえばPS2版をやったときは攻略本買ってたなぁ。
最近のネオロマは登場人物情報を見てれば失敗することはないけれど、「遙か3」は一筋縄ではいかない!笑
いろんな意味でハマっちゃう。
中学生当時はじめての乙女ゲーだったのによくフルコンプしたな!
キャラがみんな愛おしい!
そもそも「遙かなる時空の中で3」をプレイするきっかけだったのがヒノエなんですよね。
中学生のころゲーム雑誌に「遙か3」の情報が掲載されていて、そのとき見たヒノエの立ち絵に一目惚れしたんですよ。
乙女ゲーなんて未知のジャンルだったんですが、一目惚れした勢いで購入しプレイしました。
もちろんまっさきに攻略しましたね!
っていう思い出もあって、ヒノエには特別な思いがありました。
16年ぶりのプレイですが、やっぱりヒノエはかっこいいですね。
ほかのキャラも懐かしくて愛おしいっ・・・!!
当時フルコンプしていたから、それぞれのキャラの事情もすでに知っている状態ですからね。
とくに九郎さんやリズ先生、譲くんあたりなんか切ないから胸がキュッとしますね・・・。
「遙か3」はひとりひとりのストーリーが濃いから、キャラの個性や人間性に厚みがあるなと思います。
そういえば話が逸れますが、10数年前の女性向けゲーム雑誌では平知盛が「乙女ゲーの好きなキャラランキング」なるものでトップ1、2あたりにランキングされていたことを覚えています。
ネオロマで・・・じゃなくてすべての乙女ゲーを対象としたランキングでですよ。
私は平知盛には当時そんなに惹かれなかったので、結構驚きでしたね。激しめなキャラが好きな人も多いんですね。
ちなみにその前後にランキングされていたのは、「緋色の欠片」の鴉取真弘と「金色のコルダ」の月森あたりだったと思う。
月森だけはわかる。
フルボイスがうれしい!
フルボイスで喜ぶっていつの時代だという感じですが・・・笑
一昔前はパートボイスがわりと普通でしたもんね。
(そしてしばらく経った後に完全版と称してフルボイス化したものを出し、それがしばしば批判されていたような・・・)
私がPS2でプレイした「遙かなる時空の中で3」もパートボイスでした。
だから、「なんでこんな大事な場面でボイスなしなんだ!?」「ここは声アリで聞きたかった!!」と思うことが少なからずあった気が。
でも安心してください。「遙かなる時空の中で3 Ultimate」はフルボイスですよ!!
フルボイスってだけで、本作はすごくありがたかったです。
ただ私が超久々にプレイしたせいか、「こんなしゃべりだったっけ?」と思うキャラもいました。
ヒノエと景時さんが、記憶の中にある声とちょっと違ったかなぁ。
将臣くんは「こんなにコジローコジローしてたっけ?w」とか思ったり思わなかったり。笑
今にも「ラブリーチャーミーな敵役!!」とか言い出しそうだなとか思いましたが、こんな感じだったような気もする。
そんな感じでちょっと変わったかも?と思うキャラもいましたが、それでもフルボイスで楽しめる嬉しさのほうが断然大きいので個人的にはすぐ気にならなくなりました。
むしろブランクを経てまた同じ声優さんでやってくれるのは本当にありがたみしかないです。
スチル、アニメーションについて
新しいスチルについては、絵柄が旧版とは異なりますね。
懐古厨の私としてはやはりPS2版のほうが絵柄が良かったなと思ってしまいましたね。
既存のスチルも、ちょっと変わった?と思うものもありました。
とはいっても私の記憶ももはや朧なので、そこまで気になることではありませんでした。
そして一部を除きアニメーションが削除されたのは個人的には良かったと感じました。
子どもながらにないほうが良いんじゃないかと思ってましたからね、あの各キャラにひとつ差し込まれる残念作画のアニメーション。
普通ならゲーム中に出てくるムービーってテンション上がるもんですけどね・・・。
これがなくなってたのは良かったと思いました。
戦闘画面のグラフィックが残念!
戦闘に突入した瞬間、PS2クオリティの画質になる。
この画像だけ見たら「言うほど?」と思われそうだけど、Vitaで見たらなかなかの粗さです。
スチルや背景のグラフィックがきれいになっているぶん、落差がヒドイ。
せっかくのリメイクなんだから、ここもこだわってほしかった!
おまけは残念クオリティ!!
おまけですね。これはちょっと、いや大いに不満ありです。
恋愛イベントが回想できないのが残念すぎでした。

恋愛ED+十六夜記ED+後日談×2しか再生できない・・・
恋愛イベントを回想するのはさ・・・
乙女ゲーのエンドコンテンツじゃあないですかぁ〜〜〜!
それ以前のネオロマ作品には回想機能があったのに、2017年に発売された本作にないのはちょっといただけない。
一昔前のゲームみたいに、イベント前にセーブして上書き禁止機能つけて見たいときはそこからロードしないといけないんですか!?
メインキャラだけでも8人いるのに!???
ヒノエと九郎さんで埋まっちゃうんですけど!!!
というかさすがに激しく面倒くさいよ・・・!!!
ウソみたいだろ。2017年のゲームなんだぜ。それで・・・
「遙か3」はひとりクリアするのに骨が折れるからこそ、イベントくらいはいつでも見られる状態にしてほしかったです。
正直恋愛要素は薄いと思う
これはとくに不満とかじゃないんですけど、もしこれからプレイしようかと思っている人がいたら伝えておきたいこと。
今でも「遙か3」は名作だと疑わないし、面白いからおすすめしたいんですけど・・・正直甘さはほとんどないと思います。
当時は相当ハマリましたが、今プレイするとやっぱり恋愛要素はすごく薄いなぁと感じます。
5は未プレイなのでわかりませんが、6や7から遡る形でプレイした人からするとときめく要素がなさすぎて「名作と聞くからプレイしたのにキュンキュンしなかった・・・」なんてことになるかも。
とくに乙女ゲーヘビーユーザーなら物足りなさを感じそう。
面白いのは間違いないけど、発売から10年以上経れば流行りやプレイする層も変わりますからね・・・。
恋愛要素に期待しすぎることはおすすめしません。
今後リメイクがあれば望みたいこと
「遙か3」は私にとってはじめての乙女ゲーなので思い出深いです。
内容もすばらしいし、改変を加えることはあまり良しとされないかもしれません。
でも・・・
もし今後リメイクされることがあればぜひ恋愛イベントを濃密にしてほしい・・・!!!
大好きな作品だからこそ、もっと「遙か3」キャラとの甘いイベントが見たいなと強く思ってしまったんですよね。
それに勝手な憶測ですが「遙か3」が名作だと言う人って、私含め発売当時プレイした人が多いと思うんですよね。
で、最近乙女ゲーをやり始めた、もしくはもっと若い層の人たちはここ数年の作品に慣れているから「遙か3」の良さが伝わりにくいんじゃないかと感じていて。
乙女ゲーなのに恋愛要素が薄いから。
ネオロマくらいしかプレイしない私なので的外れだったらアレですが、最近の乙女ゲーってすごく親切でお手軽に甘さを楽しめることないですかね?
だからそういうのに慣れていると、「遙か3」って難しいわりに恋愛要素が薄くて敷居が高く感じられるんじゃないかって思うんですよね。
でもやはりシナリオとシステムは秀逸なので、知らない人にも魅力が伝わってほしいという気持ちがあるんです。
だから、もし今後さらなるリメイクがあれば恋愛というところにも重点を置いてほしいんですよね。
そしたら近年の乙女ゲーが基準になっている人にも刺さりそうだなと思うんですよ。
たやすくない攻略だって、極上の恋愛イベントを楽しめるならそれすらも萌える要素になるでしょう。
あのシナリオとシステムの良さは、新しい筐体にも受け継がれるべき。
リメイクされるべきところはしつつ作品自体は続いてほしいなぁと願います。
・・・と、PSP版をスルーしてきた私が言うあたり浅いかもしれませんが、今回Vita版をプレイして思った次第です。笑
「遙かなる時空の中で3 Ultimate」感想まとめ
以上、「遙かなる時空の中で3 Ultimate」のプレイレビューでした。
ぶっちゃけ、良いところばかりではなかったです。
とくにおまけの不親切さは、2017年に発売されたゲームということを鑑みると残念すぎると思いました。
ただ、ゲーム自体はまごうことなき名作。
シナリオ、システム、キャラどれも抜群に良いです。
たんなる思い出補正で「遙か3」を神格化していたんじゃなくて、真にゲームがすばらしいのだと16年越しに感じました。
欲をいえば、リメイクにあたって甘めの恋愛イベントを追加してほしかったですけどね。
内容が良いだけにマイナス面がもったいなくてしょうがないんですが、本当にすばらしい作品。名作であることを再認識しました。